ロンドン, 2022年6月16日 /PRNewswire/ -- *新たなリポートが低中所得国の女性のデジタルインクルージョンで憂慮すべき減速を提示
GSMAが15日発表した新たな分析によると、低中所得国(LMICs)でのモバイルインターネットへのアクセスは引き続き一定速度で拡大しているが、女性がさらに取り残されるリスクがある。
GSMA Mobile Gender Gap Report 2022(2022年版 GSMA モバイル・ジェンダーギャップ・リポート)(https://www.gsma.com/r/gender-gap/?utm_source=gsma&utm_medium=press-release&utm_campaign=gender-gap-2022 )によると、LMICsでの女性の平等なデジタルインクルージョンは数年間にわたって進展した後、2021年にはモバイルインターネットを新たに使い始めたLMICsの女性はわずか5900万人にとどまり、2020年の1億1000万人を下回った。
LMICsで女性がモバイルインターネットを採用する比率の伸びが最近減速していることは、男性の高い伸び率が続いていることと対照的である。GSMAのデータがこうした否定的な傾向を記録したのはこれが初めてである。
リポートは、LMICsでのモバイルインターネット・ジェンダーギャップは2017年から2020年にかけて毎年縮小し、25%から15%になったことを示した。しかし2021年のGSMAデータはこの勢いがすでに失われたことを示唆している。モバイルインターネットを利用している女性は現在、男性より16%少ないとみられている。これはモバイルインターネットを利用している女性が男性よりも2億6400万人少ないことに相当する。
伝統的にモバイル・ジェンダーギャップが最も大きな地域である南アジアでは、この逆戻り現象は一段と厳しいものになっている。モバイルインターネット・ジェンダーギャップは2017年の67%から2020年に36%へと大幅に縮小したが、現在は41%へと拡大している。
GSMAのMats Granryd事務局長は「数十年にわたってモバイルインターネットは、低中所得国を中心に世界全体で女性の生活を変革してきた。しかしわれわれのMobile Gender Gap Report 2022での憂慮すべき統計は、女性がデジタル経済から取り残されることを防ぐためにもっと多くのことが行われる必要があることを示している。世界の機関、企業、政府はインクルージョンの重要性を注視し、こうした不平等に積極的に取り組んでいかなければならない。GSMAはモバイル事業者や政府関係者と協力し、こうした否定的な傾向に対処し、女性が世界のどこで生活していようとも、モバイル技術の変革の力を逃さないよう確保することに尽力している」と語った。
モバイルが依然としてLMICsで女性がインターネットにアクセスする主要な手段であり、インターネットへのコネクティビティーによる恩恵が人生を一変させる可能性があることから、こうした分析結果は特に重要な意味を持っている。とりわけ、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)パンデミックは、女性が保健情報にアクセスし、ロックダウン(都市封鎖)の最中に家族とのつながりを保ち、収入を生む機会と政府の援助にアクセスするのを手助けする貴重な手段としてのモバイルの重要性を明示した。
▽業界の行動
GSMAはモバイル・ジェンダーギャップを縮める行動を促進するため、2016年にConnected Women Commitment Initiativeを発表した。それ以来、アフリカ、アジア、中南米の40を超すモバイル事業者が、女性のためのデジタルインクルージョンおよび金融インクルージョンへの正式なコミットメントを表明した。これらの事業者は既に、モバイルインターネットあるいはモバイルマネーサービスを伴って新たな5500万人以上の女性に手を差し伸べている。
しかしモバイル事業者は孤立して取り組むことはできない。モバイル・ジェンダーギャップは重要な世界規模の問題であり、女性やその家族がコネクティビティーの恩恵を十分に受けることができるのを確かなものにするために、あらゆる利害関係者による関心が求められている。全体としてLMICsで女性のわずか60%が現在、モバイルインターネットを利用しているにすぎず、これに対し男性の場合は71%である。
毎年発行されているGSMA Mobile Gender Gap Reportは、GSMA Mobile for Development Foundationを通じて、英国の外務・英連邦・開発省(FCDO)とスウェーデンの国際開発協力庁(Sida)から資金助成を受けている。これはモバイル・ジェンダーギャップの度合いを測り、地域および国レベルのデータを生成してこの問題への注目を集め、さらに利害関係者からの行動に情報を提供するための重要な証拠を提供する上で、重要な役割を果たしている。
今年の分析結果は、この問題を理解するために引き続きデータを収集し、女性がモバイルインターネットにアクセスし、それから恩恵を受けることを妨げている主要な障壁に対応することの重要性を示している。障壁には、女性のモバイル技術へのアクセスと利用を妨げている値ごろ感、デジタルスキル、社会通念などが挙げられる。
協調した行動とさまざまな利害関係者の協力があって初めて、われわれは真にこの問題についての進展を加速させ、ジェンダー不平等がさらに固定化しないことを確かなものにすることができる。
GSMAのMobile Gender Gap Report 2022は、https://www.gsma.com/r/gender-gap/ から入手可能。
Connected Women Commitment Initiativeに関する詳しい情報は https://www.gsma.com/mobilefordevelopment/connected-women/the-commitment/ を参照。
▽GSMAについて
GSMAはモバイルエコシステムを統一し、前向きなビジネス環境と社会の変化の基盤となるイノベーションを発見、開発、提供するグローバル組織である。GSMAのビジョンは、コネクティビティーの全ての力を解放することにより、人々、産業、社会が繁栄することである。GSMAはモバイルエコシステムと関連業界全体のモバイル事業者と団体を代表し、Connectivity for Good(世の中のためのコネクティビティー)、Industry Services and Solutions(産業サービスとソリューション)、Outreach(アウトリーチ)3つの大きな柱をメンバーに提供する。この活動には政策の推進、現在の最大の社会的問題への対処、モバイルを機能させるテクノロジーと相互運用性のサポート、MWCやM360のイベントにモバイルエコシステムを結集する世界最大のプラットフォームの提供が含まれる。
詳しい情報はgsma.com(https://www.gsma.com/ )を参照。
▽GSMA Connected Womenについて
GSMAのConnected Womenプログラムは、モバイル事業者やそれぞれのパートナーと協力し、女性がモバイルインターネットやモバイルモバイルマネーサービスにアクセスし、これを利用する際に生じる障壁に対処している。Connected Womenはモバイルインターネットやモバイルモバイルマネーサービスにおけるジェンダーギャップを縮小し、モバイル産業と女性への社会経済的便益にとって重要な商業機会を解放することを目指している。
このリポートは、英国の外務・英連邦・開発省(FCDO)とスウェーデンの国際開発協力庁(Sida)が資金助成したGSMA Mobile for Development Foundationプロジェクトの所産である。表明されている見解は、必ずしもいずれかの組織の見解を示すものではない。
詳しい情報は、www.gsma.com/connectedwomen を参照。
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