人民網日本語版
(資料写真。撮影・許婧)
今年7月、上海など5都市が全国に先駆けて国際消費センター都市の育成建設をスタートした。国際消費センター都市の建設では、大量の増加を続ける消費ニーズを満たすことが必要で、ますます増える国産品が消費者の新たなニーズ、新たなトレンドになっている。中国新聞社が伝えた。
光明乳業股份有限公司は光明バニラアイスと大白兎ミルクキャラメルの2大ヒット商品をイノベーション・レベルアップして、まるで新しい商品に生まれ変わらせ、国の月探査事業に全面的に協力し、人気のバラエティ番組「典籍の中の中国」とのコラボレーションも実現した。同社の陸駿飛副総裁は、「光明乳業はブランド全体のデジタル化を通じて、製品サイドとマーケティングサイドで、企業と顧客とのシームレスなつながりと交流を実現し、真の顧客のニーズを掘り起こし、世代交代を迅速に完了して、真の新国産品として台頭することができた」と述べた。
陸氏は続けて、「ハード面の実力に加えててソフト面の価値が向上したことが、国産品台頭の背後にある必然的なロジックであり、コラボやクロスオーバーといった手法によるマーケティングによりブランドの影響力が殻を破ることに成功した。クロスオーバーの本質は消費シーンと消費層の開拓だ。その中で、老舗企業全体にとって、あるいは国産品企業全体にとって、デジタル化が非常に重要なカギになる可能性がある」と述べた。
上海財経大学商学院の高維和教授は、「21世紀に入って中国産の携帯電話や自動車などのハイテク製品が主流市場に進出するようになり、新世代の消費者が国産品をごく自然に認める環境を作っていった。新時代の中、伝統文化、クリエイティブ・コンテンツなどからなる新『国潮(中国の伝統要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)』が、今や世界に中国のトレンドの新たなアプローチを輸出している」と分析した。
上海交通大学安泰経済・管理学院エグゼクティブMBA(EMBA)プロジェクト責任者の周穎教授は「殻を破った」人気商品の底にあるロジックを「4つのボーナス」に帰結した。経済のボーナス、アクセスのボーナス、政策のボーナス、消費のボーナスだ。
周氏は、「ビジネスで成功を収める商品が登場する時には、必ず天の時、地の利、人の和に恵まれているもので、経済のボーナスがもたらす効果が真っ先にそれに当たる。中国経済の台頭に伴い、国産品ブランドの価値が上昇し、国産品の消費がファッショナブルなことになり、これが人気の国産品が『殻を破る』可能性が現れた。中国の人口の基数が持つ天賦の優位性を土台に、インターネットの急速な普及と結びついて、中国はアクセスのボーナスの最大の受益者になった。こうした基礎の上で、国産品ブランドは政策のボーナスを迎えた。関係当局が支援の政策を打ち出した一方で、各大手プラットフォームが積極的に推進して、国産品ブランドの発展は急行車線を走ることになった」と説明した。
周氏は、「さまざまな天の時に恵まれる中で、消費のボーナスもやってきて、4つのボーナスがつながった。これまでと違い、今回の国産品ブランドの人気が迎えた消費のボーナスは、中国の消費者のニーズの変化がもたらしたものだ。間に合わせの消費からじっくり楽しむ消費へ、質の追求から品位の追求へ、価格重視から体験の追求へ、人の目を意識した消費から自分を喜ばせるための消費へとニーズが変化した」と指摘した。
また周氏は、「長期的に見れば、国産品ブランドはイノベーションとビジネスモデルを解決し、新世代ユーザーの心の中と真のニーズを洞察しなければ、消費者の魂に触れる価値の高い商品を持続的に提供することはできない。国産品新ブランドは慎重に事を運ばなければ、囲みを突破することはできないだろう。人気の国産品が発展し続けるには、技術と製品の両輪で駆動してはじめて、一時的な人気者から長期的な人気者になることができる」と強調した。