「よく売れる」と同じ発音の「大麦」が開店祝いとして大人気に!

人民網日本語版

大麦や小麦は、食べるだけでなく、他にも何に使えるだろうか?肥料にすることを考えた人もいれば、紙やビールを作ることを考えた人もいるかもしれない。しかし、大麦を使って、花束を作ることもできるのを知っているだろうか?成都商報が報じた。

近年、中国では開店祝いや発表会などの場に、大麦のフラワースタンドが置かれているのをよく見かけるようになっている。特に今年は、多くの花屋で「大麦」の売上が爆発的に増加している。

商売繁盛の期待を込めた「大麦」がニュートレンドに

5月20日、ある女性服の店の前に、美しい黄金色のフラワースタンドが6つ置かれていた。店のスタッフは取材に対して、「このフラワースタンドは開店祝いとして購入した」と説明した。

成熟した麦の穂は「豊作」や「成果が多い」ことを象徴しているほか、中国語の「大麦」は、「よく売れる」という意味の「大売」とその発音が同じであることから、近年、店の開店祝いに大麦のフラワースタンドが使われるようになっている。ショッピングサイト・淘宝やフードデリバリーなど生活関連サービスを提供する「美団」で「大麦」と検索すると、1本数元(1元は約16.9円)の麦の穂から、数百元の「大麦の花束」までヒットした。

約25万円かけて88個の大麦のフラワースタンドを購入した人も

縁起がいいほか、大麦は長期間の保存が可能で、丈夫というメリットもある。四川省成都市のあるフラワーアレンジメントショップのオーナーは、「今年、大麦が爆発的に売れている。4月だけでも、大麦のフラワースタンドが300個以上売れた。これまでに、一番多かった注文は88個の大麦のフラワースタンド。友人の開業祝いで、費用は約1万5000元だった」と話した。

花屋に花を卸すサプライヤーの大麦の売上を見ても、その人気ぶりが分かる。サプライヤーの劉志宇さんは取材に対して、「メーデーの5月1日だけでも、約7000束の大麦が売れた。1束100本なので70万本売れたことになる。フラワースタンド1つに100本の大麦を使うとすると、7000個以上のスタンドが売れたことになる。5月1日前には、8000束売れたこともあり、品切れ状態になった」と話した。

農家との契約を6.6ヘクタールの畑に拡大して大麦栽培

花屋で販売されている大麦と、農作物の大麦には少し違いがある。花屋の大麦は、黄金色で普通の農作物の大麦よりも色が鮮やかだ。また、大麦の穂も長い。劉さんによると、「フラワースタンドに使う大麦には、一定の要求があり、加工も必要だ。花屋で販売されている大麦は、7‐8割成熟した麦を洗い、乾燥させ、色を付けて作り上げている」という。

品種の関係もあり、ほとんどの大麦は、畑で収穫されたものであるものの、多くの外観はパーフェクトとはいかない。そのため、劉さんは2019年、故郷の農家と契約し、フラワーアレンジメント専用の品種の大麦を栽培してもらい、それを買い上げてフラワーアレンジメント用の大麦を作っている。

劉さんは、「2019年に、試験的に栽培した大麦は、予想外にも発売すると同時に、完売となった。市場のニーズを満たすために、2020年は、栽培規模を約6.6ヘクタールまで拡大した。今年は、当社と同じように農家と契約して大麦を栽培する人が増えている。現時点で、中国全土の市場では非常に大きなニーズがある」とした。