人民網日本語版
最近、国有企業が建設を請け負った複数の高速鉄道プロジェクトが、「新インフラ整備」に急速に力を入れ、成果が実施されるよう後押ししている。例えば、「全国初の総合スマート管理コントロールを実施する高速鉄道駅」、「工事現場のスマート建設プラットフォーム」、「施工ロボット」……こうしたキーワードは、中国の高速鉄道が急速なバージョンアップと高度化を遂げており、次の目標は「未来の科学技術の世界」ということを物語っている。国務院国有資産監督管理委員会プレスセンターのニューメディア統一プラットフォーム「国資小新」が伝えた。
5月30日午前10時28分、一番最後の長さ13.5メートル、重さ10.8キログラムの鉄鋼構造の部材が高さ37メートルの上空で合体し、北京7大鉄道交通ターミナルの1つである星火駅の主体工事が完成した。
星火駅は京瀋高速鉄道最大の旅客駅で、第13次五カ年計画の重要なインフラでもある。
中国鉄建傘下の中鉄建設集団のプロジェクト責任者である王偉さんの説明では、星火駅の鉄鋼構造の屋根システムは施行の分布が広く、重量が重く、スパンが大きく、精度への要求が高く、システム全体で溶接される部材は1万5千点にもなるという。プロジェクト鉄鋼構造設置責任者である汪韋韋によると、「設置の難しさは外科手術にも引けを取らないほど」という。
このため、中国鉄建は「156スマート建造プラットフォーム」を独自開発した。王さんは、「これはモノのインターネット(IoT)によるモニタリングとスマート化管理を総合したスマート建造プラットフォームで、現場でのスマートモニタリング端末、地理情報モデリング、BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)、IoT技術を総合して、バージョンアップを繰り返すことを実現した」と説明した。
王さんはバージョンアップのモニタリングを全プロセスにわたり携帯電話で行った。3D駅舎のローミング可視化システムにより現在の状況がリアルタイムでクリアに表示され、故障箇所が見つかれば、遠隔運営メンテナンスシステムが介入し、故障箇所の各種情報がただちにショートメッセージなどの形で検査修理担当者の携帯電話に送られる。王さんによると、「従来のモデルと比較すると、星火駅の総合スマート管理コントロールシステムはスマート建造を真に実現し、今後の駅の人件費を含む維持コストを極めて大幅に節約した」という。
今年2月以降、中国鉄建は「156スマート建造プラットフォーム」の中のスマート労務機能を運用し、毎日の労務における労働者数と出勤状況を効果的に把握した。星火駅プロジェクト党支部の劉彦涛書記は、「管理担当者全体で1人の(新型コロナウイルスの)感染者もいなかったし、労働者とサプライヤーなどの提携先も感染ゼロを実現した。厳密な貿易措置に科学的で有効な計画準備が加わって、現場の労働者が2月初めの80人ほどから1200人以上に増えるのに、わずか20日あまりしかかからなかった」と述べた。
中国鉄建電気化局集団の海安保障センターは「未来の科学技術の世界」に歩み出したようだ。
「ロボット」が働き、コンピューター操作台の前にいる技術者がデータを打ち込み、操作ボタンを押すのに合わせ、スマートロボットアームが動き回り、部品を運び、位置を合わせ、カットし、ねじを回して固定し……送配電網のアームが素速く組み立てて完成させる。整然と並んだ製品棚の上には、各種型番の送配電網の簡略化・統一化した部品それぞれに特定の「身分証」があり、QRコードを読み取ると、部品の出荷情報、規格・型番、設置工法などが一目でわかる。
こうしたシーンは、過去の鉄道における通信、信号、電力、電気化の施行にはみられなかった。中国鉄建電気化局の梁偉冬常務副指揮は、「この中国鉄道のロボットは当社が初めて開発応用した送配電網の簡略化・統一化されたスマートロボットアーム配置プラットフォームだ」と説明した。
また梁さんは、「使用部品が少なく、すぐに設置でき、操作も簡単で、ロボットアーム設置の時間だけでもこれまでより30分短縮し、誤差率が減少し、検査修理の頻度も低下し、運営の安定性が大幅に増加した」と述べた。
5月29日午前、京雄都市間鉄道の雄安駅の京雄操車場屋根システム鉄鋼構造が完成し、年内の同鉄道の開通・運営スタートに向けた着実な基礎が打ち立てられた。
中鉄十二局集団有限公司の賈瑋・雄安駅チーフエンジニアは、「雄安駅の全体的規模は13ホーム23本で、主体建築物は5階建て、地上3階、地下2階で、部分的に中間階があり、建築面積は47万5千平方メートルで、サッカー場66面分にほぼ相当し、規模は全国の高速鉄道駅の中でもトップクラスだ」と述べた。
「コンピューターシミュレーション」と「モジュール化建設」を運用することで伝統的な鉄道建設がさらに飛躍し、京雄都市間鉄道という未来の「スマート高速鉄道」が「さらに賢い頭脳」を備えるようになった。
これは雄安新区で初めて着工した重大交通インフラプロジェクトであり、頭のてっぺんから足のつま先まで科学技術の色彩にあふれている。
中鉄十二局雄安駅科学技術部の鄭皮舟部長の説明では、「屋根システム全体の鉄鋼構造の引き上げは他の工程のペースに合わせて行われ、大型タワークレーン4台とたくさんのクレーン車が同時に上空で作業をし、科学的な統一的計画、シミュレーション分析、精密な計算により、干渉を回避することができた。BIM技術とスマート測量ロボットにより、科学技術が施工を牽引して、効率を高め、精度と品質を保証した」という。
雄安高速鉄道は情報化科学技術の成果を存分に利用し、スマート型交通ハブのモデル構築に力を入れている。中国鉄建電気化局の京雄都市間鉄道プロジェクト責任者の西窮さんは、「当駅はモニタリングとエネルギー管理のシステムを運用して、設備の全ライフサイクルにわたる管理、旅客輸送設備の運行状況のリアルタイムモニタリングを実現し、旅客輸送設備の安全性、安定性、信頼性を全面的に向上させた」と説明した。