死んだペットのクローン 数十万元払っても作りたいか?

人民網日本語版

「25万元(1元は約20.2円)出して死んだペット犬のクローン作りに成功した女性」の話題が検索トレンド入りし、広く注目されている。

ここ数年、「ペット経済」が勢いを増している。生活レベルの向上に伴って、ペットを飼い、ペットのためなら高級なペットフード、服、ワクチンなどの出費を惜しまないという人が増え続けている。ペットはいつか必ず命の終わりの時を迎えるが、親密な関係を長く続けようと、死んだペットのクローンを作る人もいる。あるメディアが「死んだペットのクローンを作りたいか」とネットで調査したところ、回答した10万人のうち、2万6千人あまりが「作りたい」か「経済的に可能なら作りたい」と答えた。

業界関係者の説明によると、ペットのクローンを作るには、まずペットの皮膚などの組織をごく少量採取し、48時間以内に遺伝子実験室に送る必要がある。技術者が体細胞を取り出し、それを培養し、核移植し、クローン胚を作り、クローン胚を移植するなど一連の操作を行う。一般的に8ヶ月以内に月齢3ヶ月のクローン猫を顧客に引き渡しでき、12ヶ月以内に月齢3ヶ月のクローン犬を引き渡しできる。

現在の技術であれば、クローン動物の寿命は普通の動物と変わらず、子孫の繁殖能力も正常だ。世界初のクローン犬のスナッピーは10歳まで生き、健康な子孫を10匹以上残した。その前の磐吉基因によるペットのクローン猫の「平安」は、現在1歳半で性成熟を迎えたという。

ペットのクローンを作る費用は決して安くない。ペットのクローンを手がける複数の企業・機関に問い合わせたところ、返ってきた答えはいずれも10万元以上だった。

しかし、ペットのクローンをめぐり論争が続いている。賛成派は「クローンは感情の延長であり、いくら出しても惜しくない」と言い、懐疑派は「クローンは肉体をコピーしただけのことで、死んだペットはもう帰ってこない」と言い、さらには「クローン技術は倫理的・道徳的問題や法的リスクを避けることが難しい」との見方を示す人もいる。

専門家は、「ビジネス化したクローン動物について、中国の法律には明確な規定がない。そのため現行の法律の枠組内ではペットのクローンは違法ではない。だが、ペットのクローンがもたらす倫理的・道徳的リスクは客観的に存在しており、大金のかかるペットのクローンによって一連の紛争が起こるかどうか、注目と警戒が必要だ」と指摘した。