中日友好の新章を: 中日国交正常化50周年の新春初日において

(張剣波)

皆様: 

 明けましておめでとうございます!

 昨年は色々と大変お世話になりました。心からご感謝申し上げます!

 本年は日中国交正常化五十周年です。

 50年前、一人の8才の少年が、屈原廟のそば、「端午の節句」発祥の地で、田中角栄訪中、日中国交正常化のニュースを聞きました。メディアが連日連夜、トップニュースで繰り返し報道しました。周りの大人や学校の先生の議論や興奮、喜びなどの雰囲気から、少年は、とてもとてもいいことが起こっていると感じ、大喜びになりました。

 そして、日中友好の時代。「一衣帯水」。日本人は中国人の友達で、日本と中国は二千年近くの友好国。それに、日本は先進国で、中国は日本から学ばなければなりません。

 少年はそのような日本が大好きで、14才から独学で日本語を勉強し始め、海外に行くことがまだ不可能な時代に日本に行ってみたいと密かに思いました。そして、22才にその夢がかないました。昭和62年、西暦1987年、35年前のことでした。

 以来、35年の間、中国、日本、世界がいずれも凄まじい変化を遂げた中、青年になったあの少年は日本で多くを学び、多くの日本人に出会い、多くの体験をした。

 日中国交正常化50周年、半世紀。人間の世は「滄海桑田」の巨変を経てきたが、あの8才であった少年の日中友好時代の記憶は色褪せていない。

 とりわけ、来日してから最初の6年間を過ごした秋田は、あの少年にとって極めて特別な存在でした。少年にとって、秋田は第二の故郷で、秋田の人々に深く感謝しています。

 このような思いから、あの少年は、『日中友好、それは愛の奇跡』という書物を書き、本年前半に出版することになっております。

 本年は日中国交正常化五十周年です。日本と中国、日本人と中国人が再び友好になることを切に願っております。

 本年も引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

                                 2022年1月1日

張剣波略歴:
湖南出身、1987年来日、早稲田大学政治学博士、大学講師。「中日志願者協会」会長。主要著作:『よりよい共生のために——在日中国人ボランティアの挑戦』(主编、日文)、「中美和解与中越关系:以中国的对越南政策为中心」(専著、日文)、「日中友好、それは愛の奇跡」(日文、即出)等。