在中米国企業のコロナショックに対する判断はより悲観的に

陳言 / 知中to知日

   世界的な旅行中断とその背後にある旅行制限により、多くの在中米国企業の幹部はいまだ中国国外におり、90%の企業が中国業務の運営がこれにより影響を受けていると回答している。

   5月 29 日、中国米国商会は第4期「新型コロナウイルスの会員企業に対する影響」スピード調査を発表した。この調査は2020年5月19日から23日にかけて行われたものだ。

   59%の企業がすでに正常運営を回復していると答え、49%の企業が製造設備はすでに100%正常に運行していると答えた。この割合は 4 月の調査の時よりも 14 ポイント高かった。24%の企業が中国チームは現在その企業の他国における運営を助けていると答え、この割合は4月の調査の時よりも 10 ポイント高かった。

   中国米国商会のアラン・ビービ(Alan Beebe)総裁によると、これはコロナの爆発的発生が抑えられたためであり、先進国に比べると中国は 60 日あまり先行している。

   この調査ではさらに、世界的な旅行の中断とその背後にある旅行制限が、現在の在中米国企業が最も関心をもっている問題であることが示されている。90%の企業が業務運営がこれにより影響を受けていると回答しており、この割合は先月の調査の 77%よりも高かった。

   中国米国商会のグレッグ・ギリガン(Greg Gilligan)会長は、コロナは現在リモートワークなどの一連の変化をもたらしているが、多くの企業幹部は国外にとどまっているため、在中米国企業は一部の重要な問題の決定が不可能となっていると語る。

   在中米国企業が米国政府に望む支援の中で、ビザ発給業務の回復がトップで、23%を占めており、中国政府に望む支援の中でも、外国籍幹部の中国への帰還が第一位を占め、その割合は少し低いものの 19%を占めている。

   最近、中国外交部の協力のもと、ドイツ企業幹部が二機のチャーター機で中国に戻った。ビービ総裁は財新網の取材を受けた際、「米国企業幹部の構成はより複雑で、アメリカのパスポートを所持しているのは 30~40%に過ぎない。これらの米国幹部に対しては、中国への帰還は確かに中米両国政府の交渉により、大規模なチャーター便という形式を採用する必要がある。これは最近の中国米国商会の重点業務の一つとなっている」と語った。

   調査ではさらに、在中米国企業のコロナショックに対する判断は、ますます悲観的なものとなっていることが示されている。18%の回答企業は、所属する業界の中国市場が 25~50%減少するだろうと予測しており、4月の調査ではこの割合は8%であった。過半数の企業がコロナにより新規従業員の募集を停止せざるを得なくなっており、ほぼ同じ割合の企業が、すでに従業員の報酬削減を計画中あるいは実施していると答えた。47 の企業は長期業務計画を見直すだろうと答えている。

   業界ごとの業績の違いもはっきりとしている。科学技術業界はいまだ楽観的態度をもっており、30%の科学技術企業が 2020 年の中国市場は成長を続けると予測しており、この割合は4月には 13%であった。半数の消費業界の企業は、市場の減少幅は 25%を超えると予測しており、4月の調査の時よりも 33%上昇している。