武漢の臨時医療施設が全て休止状態に

人民網日本語版

今月10日午後5時ごろ、医療チーム14チームのメンバーたちの、「中国必勝!湖北必勝!武漢必勝!」という高らかな声が響く中、武昌方艙医院(臨時医療施設)の最後の患者49人が退院した。35日間、新型コロナウイルスの軽症患者の治療に当たった同病院はこれで正式に休止した。これにより、湖北省武漢市の方艙医院全てが休止状態となった。方艙医院の建設は、医学救援史上における初の重大な試みで、新型コロナウイルス感染拡大防止・抑制において重要な役割を果たした。そして、重大な公衆衛生上の緊急事態に対応する上で貴重な経験となり、中国の知恵が示された。

10日、武昌方艙医院が休止となり、しっかりと抱き合う患者と医療従事者。(撮影・張武軍)

昼夜問わず35日間治療に当たり、ついに患者全員が退院という感激の瞬間を迎えた。勇敢な白衣の戦士たちはその「重い鎧」をついに脱ぎ捨て、まるで子供のような会心の笑みを浮かべた。

江西省の湖北省支援看護師チームのリーダー胡星氏は、「第一陣の患者を受け入れた時の光景が目に焼き付いている」と話す。2月5日深夜、武昌方艙医院は、武漢市で一番最初に患者の受け入れを始めた。病床は800床で、24時間以内に300人以上の患者を受け入れた。胡氏らは徹夜で治療に当たり、「新型コロナウイルス感染が確認されたあんなにたくさんの患者を一度に受け入れたのは初めてで、忙しいだけでなく、心理的にも緊張した」と振り返る。

患者は入院したばかりの時には新しい環境に少し戸惑うものだ。江西省の湖北省支援看護師チームのメンバー・李小芳さんは、「患者を家族のように見なし、心のケアも行った。すると、患者と少しずつ友達になることができ、なかにはボランティになることを買って出る患者もいた」と話す。午後2時半、患者の男性・宋さんは、ベッドの片付けの手伝いをしながら、「医療従事者は本当にたいへんなので、できる仕事があれば手伝わなければ」と話していた。

「湖南と湖北は家族」、「無事に帰宅できますように」など、中南大学湘雅二病院の国家救援チームのメンバーの防護服には、患者たちが書いたメッセージでいっぱいになっていた。「ある子供の患者は、『大きくなったら、私もお医者さんになりたい』と言っていた」。

50過ぎの男性・張さんはもうすぐ退院であるにもかかわらず、看護師と囲碁を打っていた。看護師が、「前回負けたから、退院前に必ずリベンジしておかなければ」と話すと、張さんは思わず笑い声をあげた。

10日午後の時点で、武昌方艙医院が受け入れた患者の数は累計1124人、治愈して退院した患者は累計833人に達した。ここでは9省から来た医療従事者869人が肩を並べて闘った。医療従事者らは、同僚であると同時に、戦友でもあるのだ。

武昌方艙医院の常務副院長を務める武漢大学人民病院医療チームのリーダー馬永剛氏は、「全国医療チームの戦友の皆さんは、正義のためにためらうことなく湖北省に来て、支援してくれたことに心から感謝している」と、深く一礼した。

貴州中医薬大学第二附属病院の副院長を務める貴州省の第五陣湖北省支援医療チーム治療グループのグループ長・黄礼明氏は、「他の医療従事者のマスクを外した状態の顔は見たことがないかもしれないが、『武昌方艙』と言えば、互いに分かり合える」と話す。

武漢方艙医院が休止となったことは、新型コロナウイルスとの闘いにいて重要な段階的成果を挙げたことを意味する。2月3日以来、武漢市、そして、中国全土の救援関係者が連日連夜で活動し、武漢市のエキシビションセンター、スポーツセンターなどが方艙医院として使われ、新型コロナウイルスの軽症患者を受け入れてきた。中国全国から来た医療チーム94チーム、医療従事者8000人以上がこれら方艙医院で医療に従事した。一番最初に運用が始まった方艙医院が患者を受け入れ始めてから約30日の間に、武漢の方艙医院16ヶ所で、新型コロナウイルスに感染した軽症患者約1万2000人が治療を受け、治癒した。これは武漢で新型コロナウイルス感染が確認された患者4人に1人が方艙医院で治療を受けた計算になる。