映画「アバター」の山のモデルも 新旧織りなす中国湖南省の旅──写真家・倉谷清文(三)

唐王朝時代を再現したという町

                                  観光誘致に突如現れた古代の町

 長沙市街から北西に20kmほど、湘江の河川近くに築かれた銅官窯古鎮は2018年8月にオープンした国際文化観光スポットである。1200年余りの歴史を持つ長沙銅官窯遺跡は陶磁器文化が根差した地で、110万平方メートルの広大な敷地に再現された唐王朝時代の町には、8つの博物館、3つの高級ホテルのほか、民宿旅館、文化的アトラクションなどが含まれている。投資額100億元(約1690億円)を超える湖南省初の文化観光プロジェクトである。

 レストランやショップが並ぶ通りはまだテナントが埋まっておらず、小雨交じりの平日ということもあり人通りもまばらだった。ピカピカの古代都市というアンバランスさに少し戸惑いを覚えるが、観光や娯楽にとどまらず、陶磁器や刺繍を展示する博物館のような文化施設から居住区に至る巨大タウンを一気に築き上げてしまう中国の勢いには驚いてしまう。

 唐風建築の博物館が立ち並ぶエリアを回ると、少し今までと違う印象を受けた。海外のテーマパークを真似たと揶揄されたものではなく、しっかり歴史と文化を伝えたいという思いが感じられた。

(写真・文/倉谷清文)