四川嘉陽、世界で最後の1台・小型蒸気機関車に乗って「金色の花海」を堪能

  (毎年の3月では、嘉陽小型蒸気機関車の最も美しい時期になる)

もうすぐ春です。お花見に絶好の季節がやってきます。日本は桜、中国の花見は百花繚乱、様々な花が咲き乱れます。四川省はお花見の名所、毎年、中国全土から飛行機、新幹線、あるいはクルマで多くの観光客が訪れます。中でも四川嘉陽では「産業革命の絶版」とも呼ばれ世界でたった1台残っている嘉陽小型蒸気機関車に乗って油菜の花海をお花見します。

    (小型蒸気機関車は金色の花海を通っています)

四川省楽山市犍為県を走る嘉陽小型機関車は、世界で唯一残っている「寸軌道(超狭軌)」の蒸気機関車です。まさに絶滅危惧種、パンダより貴重と言われています。「寸軌道」というのは、二本の線路軌道の距離がわずか76 センチしかない線路です。

          (嘉陽小型蒸気機関車)

「標準軌」と呼ばれる普通列車の線路間が144センチですので、その半分ほどしかありません。「産業革命の絶版」と呼ばれるだけあって、嘉陽機関車は小さいながらも重厚な時代感を漂わせています。地元住民にも人気がありますが、嘉陽機関車の乗客の多くは飛行機、新幹線、あるいはクルマで遠路はるばるやってきた観光客です。

四川嘉陽では、毎年2月から4月が花咲き乱れる春の季節、油菜の花海のほかに桐子の花なども咲き誇ります。嘉陽機関車は四川の深い山、厳かな谷、幾重にも広がる棚田の中を走り抜けます。乗客は天空をいく遊覧飛行船さながら、客車の座席からゆったりと金色の花海を満喫できます。