クジラの「言葉」を利用

水中秘密通信を実現

天津大学精密測定技術・計器国家重点実験室の蒋佳佳准教授はこのほど、マッコウクジラの声の法則を模倣し、クジラの「言葉」を使うことで初めて深海秘密通信を実現した。この新型偽装・秘密水声通信方法は、偽装性が高く、機密度の高い情報伝達が可能で、通信距離が長いといった利点があり、国防・軍事分野で高い将来性を持つ。関連研究成果は国際通信学術誌「IEEE通信誌」(最新号)に掲載された。科技日報が伝えた。

天津大学の研究チームは初めて、マッコウクジラの声を通信情報の担い手とし、その声を模倣することで通信信号を作り、偽装により水中通信情報の秘密伝達を可能にすることを提案した。科学研究者は自己相関・相互相関・相関性閾値などの拘束条件に基づき、得られた鳴き声パルスバンクの中から遅延差通信エンコーディングの需要を満たす大量の鳴き声パルスを選び出し、かつマッコウクジラの声の法則に基づき、遅延差時間差通信エンコーディング・デコーディングの方法を発展させた。

構築された音声通信は偽装性が非常に高く、情報の高度な秘密伝達を可能にする。また通信波の出力を落とすのではなく偽装により秘密通信を実現するため、通信波が敵に捕捉・収集される恐れはない。