外資は引き続き中国市場

米国が発動した中米貿易戦争がエスカレートする中、中国の対外経済貿易のデータが次々に発表された。9月の輸出は市場の予想を上回り、特に対米輸出の増加率が予想を大幅に上回り、上半期の実行ベース外資導入額の規模も米国を押さえて世界のトップに立った。米国の対中貿易戦争の目標の一つは、外資が中国市場から撤退するよう迫ることだった。

米国の名目国内総生産(GDP)の規模は今でも中国よりかなり大きく、目下の米国経済は好景気で、昨年末には大規模な減税法案が可決され、大規模で非常に強力な規制緩和が行われるなどして、米国は外資の誘致で中国よりかなり有利な状態にあるといえる。

中米貿易戦争が長引くにつれて、その米国経済へのマイナス影響が徐々に顕在化するとともに、好景気のピークを迎えた米国経済の避けられない低迷状態への落ち込みを加速させるとみられる。その一方で、中国経済は貿易戦争でさまざまな打撃を受けながらも、十分な準備をし、力強く対処したため、実際の損害は予想よりも小さかった。

上半期外資導入データは米国を追い抜き、中国は貿易戦争への対処で自信を深めるとともに、グローバル貿易戦争という危機の中にあるチャンスをより深く認識するようになった。米国の身勝手なやり方は自国のビジネス環境の不確定性を大いに高めた。グローバル生産局面は米国のために再編の加速を余儀なくされ、このため中国は自動車産業、チップ産業、その他のハイテク産業、人民元国際化など各方面で一連の潜在的チャンスを迎えた。